このページは、マレーハコガメの
「飼育の一例」を紹介するものです。
ここで述べている飼育の例が、必ず
望ましい、とは限りません。
お気づきの点があれば、
メールを
頂けると幸いです。
このページは、読んだ方にカメの
飼育を勧めることを意図していません。
生き物の飼育には重大な
責任が伴います。
■ プロフィール ■
【優】
我が家に迎えた日は、1999年11月 6日です。
飼育当初は性別がわからず、どちらの性別に成長しても違和感がないようになどを考慮に入れ、「優(ユウ)」と名付けました。後に、雌であることがわかりました。
亜種名は、シャムハコガメ(学名: Cuora amboinensis kamaroma)であると、写真を見た海外の人からの指摘で、後ほどわかりました。
家にお迎えした当初は、体重約280g、甲長113mmでした。
今回 5月17日の測定では約3,500gで、前回 3月31日測定の約3,650gから150g減、比率で約4.1%の減少でした。
甲長は数年前から230mmのままです。
この長さは、背甲に巻き尺を沿わせて測ったものではなく、ノギスでの測定に近い方法で測っています。
【啓】
我が家に迎えた日は、2012年 3月26日です。
お迎えしたいきさつは、古参の優と名づけたカメに手がかからなくなり、もう1匹なら新しく飼う余裕が出たことです。当初、どちらの性別に成長しても違和感がないように「啓(ケイ)」と名付けました。その後、雌だとわかりました。
亜種は、ジャワハコガメ(学名: Cuora amboinensis couro)として売られていましたし、それで違和感はありません。米国生まれのCBということでした。
家にお迎えしてすぐの測定では、体重78g、甲長68mmでした。
今回 5月17日の測定では約2,550gで、前回 3月31日測定の約2,470gから80g増、比率で約3.2%の増加です。
甲長は優と同じく230mmですが、亜種に由来する背甲の高さの違いにより、体重が大きく異なります。
飼育の際は、初めから優とは別の水槽で飼育しており、一緒にしたことはありません。
■ 最近 与えている餌 ■
【優】
草食傾向が強いと言われるマレーハコガメの成体に与える餌は、蛋白質がやや控えめなレップカル ハコガメフードが適しているだろうと思うこともあり、それをずっと与えています。(このフードは今年はじめ、日本の多くのショップで在庫が一斉になくなったことがあり、生産が終了したのだろうと思っていたのですが、幸いにもその後、生産・販売が再開されたようで良かったです。)
ちなみに植物質の餌は、コマツナ、チンゲンサイなどですが、暖かくなってきたので、水草を与えることも、これからは増えていくと思います。ハイグロフィラやホテイアオイを考えています。そして、月に3回ほどはバナナを与えることもあります。と言っていましたが、3月ごろからバナナは食いつきが悪くなり、それから間隔を空けて与えても食べる勢いは良くならなかったため、バナナは夏まで与えないことにしました。
ごく偶に、高蛋白の餌も与えます。マグロの刺身(赤身のみ)、蒸したエビの身、ゆで卵の白身などです。頻度は月に2回までです。以前は生の牛肉やミミズを与えていたこともありました。
それら高蛋白の餌は、いつも普段の餌よりずっと旺盛に食べるのですが、その傾向は、飼育を始めた当初から変わっていません。そういった大好物をどのくらい旺盛に食べるかを観察することで、健康状態を知る手がかりになる場合があると思うからです。それに、カメにも食べる楽しみはあったほうが良いとも思います。
植物質のもの以外は、週に3日以上、何も与えない日を設けています。
食材を水槽の中に入れっぱなしにすると、その餌の破片が散らばったり、腐敗が進んだりすることで、水が汚れやすくなるので、同じ食材は水槽に丸1日以上 入れっぱなしにすることは、基本的にありません。例外は水草で、少なくとも一部の水草は、水中葉の状態であるもの、また浮草の一部に限定する限り、カメが食べることにより、放置することで破片が増えることがあるのは間違いないものの、水に沈んだ状態または浮遊している状態が続くことで、腐敗や劣化が起こる心配が、他の野菜類などに比べると少ないです。
【啓】
餌の種類や量は、優と大体同じですが、優よりも植物質の餌を旺盛に食べるので、低カロリーの餌の比重を増やすのが、やや楽です。
以前は時々悩むこともあった偏食の傾向も、去年辺りからは落ち着いていて助かります。
■ 最近のカメたちの様子 ■
【優】
今年3月末、突然 水槽内に設けていた 水場 ⇔ 陸場間のスロープの上を、日に何度も往復したり、その付近をうろうろしたりすることが急に増え、水槽内のあちこちを動き回る様子も、よく目にするようになりました(最近は下火ですが)。
優は数年前、卵(無精卵)を数回 産んだことがあるのですが、その産卵の前の数日間に見られた行動は、今の優とよく似ていました。
産卵の前兆であるなら、陸場に土の底床を設ける必要が生じます。実際、優がかつて産卵した時は、その少し前に私が妊娠の兆候を察知したことで、水槽内に土のエリアを作ったら、その土の中に産卵した、という経験が複数回あります。
ただ、水槽の中に土を入れっぱなしにすると、その分だけシェルターの内側が狭くなるし、優が水場と陸場を往復するだけで、土の成分が水場に入り込み、水がすぐに汚れるなどのデメリットもあるので、卵を産まないなら、土は設置したくないのです。
そこで4月22日に、優を動物病院に連れて行きましたが、レントゲン写真からは卵の影が全く確認できないとのことだったので、今回は優の水槽に土を設置せずに済みました。
それから最近、優はあまり食欲がないです。一過性のものだと良いのですが。
(以降の段落:5/27追記) 実際、上にある通りに書いた日(5/18)までは、優の食欲は低下気味だったのですが、このページを更新した翌日(5/19)から、優の食べる量が減るどころか増えたので、焦りました。
ただ、「ハコガメフード」を継続して食べ続けてくれたため、栄養のバランスの心配は少ないものの、この「急な食欲の亢進」は、何と5/26までの約1週間、連日見られました。
「ハコガメフード」を与えないと暴れ続けるといった様子で、毎日与えていました。元々、肥満防止に週に少なくとも3日は、水草や野菜系以外の餌(つまり「ハコガメフード」のようなしっかりした餌)を与えない日を作っており、それをずっと守ってきましたが、この1週間だけは、欲しがる勢いに根負けして、つい与えてしまうことになってしまいました。毎日、なるべく少量をと意識しながら与えていましたが、欲しがる様子にはなかなか勝てないですね。それにしてもここまで連日に亘って欲しがる様子は、ここ1年以上、見なかった気がします。
おかしいと思い、(1.) 水質など、もしかすると優にとってストレスになっているかもしれない条件を解決する(今回、水をまた換えてみた。啓の水槽の水も同じ日に換えているが、なぜかそちらは綺麗だし、啓の食欲もいつも通り)。 (2.) 水温を下げてみる(それまでの約24〜26度から、約22度に下げてみた)。
※ ただ、上の(1.)と(2.)は、「餌を食べすぎる時の対処法」などメソッド化された方法などではなく、本もネットも参考にしないで出した独断です。特に、食欲が旺盛すぎる時に、温度(体温)を下げるという手段を使うのは、一般的な方法ではないようです(ただ、カメの食欲がない時に、温度(体温)を上げて回復を試みる、という手段は知られているようですが)。マレーハコガメにとって、22度が「決して寒すぎる温度ではない」ことは確認しているので、その範囲内で温度を下げる試みは、本人の負担にならないと思い、そのようにしたのです。これらは全くの素人判断なので、もしここに書いたことを同じ目的で実行される方は、専門家による裏付けを得るか、自己責任でお願いします。
そして今日、優の様子が、食欲が亢進する前の状態に戻ったので、温度も元の25度前後に戻しました。ですが今後も要観察ですね。
同日 夜半に追記: 昨日まで食欲が亢進していて、今日 落ち着いたという内容ですが、そのような変化についての報告は、2日ほど様子を見てからにすべきだったかな、と思いました。今回のこのページの更新は、拙速な判断だったと反省しています。(ちなみに優は今日、消灯時刻まで食欲は落ち着いており、ほぼいつもと変わらない優に戻っているので、書き直しなどは行わないことにします。)
ややこしいことを書いてしまい、申し訳ありません。
【啓】
優とは違い、陸場に上って甲羅干しをしている様子を、そこそこの頻度で見かけます。
ただ、陸場に上るタイミングと頻度は本当にまちまちで、陸に上る時刻に決まりはないようで、朝から上ることもあれば、消灯時刻の少し前に上り始めることもあります。何日間も連続で陸場に上ることもあれば、1週間以上の間、ずっと水場で過ごし続けることもあります。朝に甲羅干しを始めたままその場を動かず、消灯時刻を過ぎても水場に下りてこないこともあれば、陸に上って20分もしないうちに、また水場に戻ることもあります。
■ 飼育環境 ■
― 水槽のサイズ ―
【優】
1年を通して、屋内の90cm規格水槽で飼育しています。
【啓】
以前からそうであった通り、1年中、屋内の90cm規格水槽で飼育しています。
― 水槽水 ―
【優】
最低でも週に1回の頻度で水を換えます。部分水換えではなく、その都度ほぼ全ての水を入れ換えます。
うちの地域(日本の本州)は、夏場を除いてヒータが不可欠です。
今、水槽に使っているのは、サーモ一体型の『ニッソー プロテクトICオート R-160W』です。水温は24〜26度にセット。水温の変化が昼夜で逆転しないように注意しています。
水深は約12cmで、甲羅がどっぷり浸かるのに十分です。
【啓】
水深は甲羅全体が水に浸かる程度にしており、9cmを下回ることは基本的にないです。
その他のことは、優のところで記したのとほぼ同じです。
― 底床 ―
【優】
飼育当初、砂利を敷いていたのですが、別件で動物病院でレントゲンを撮ってもらったところ、大量の砂利がお腹に入っているようでした。そのままで体外に出ましたが、砂利を入れることによるメリットよりもデメリットのほうが大きいと判断し、以降、砂利は敷いていません。砂利以外のものも、何も敷いていません。
【啓】
砂利を食べるといけないので、やはり敷いていません。
― 照明 ―
【優】
蛍光灯は、ポゴナクラブ ビバリウムグロー ソフトUV 20Wを1灯で、7時から18時半まで照射しています。
白熱球は設置しても、その場所に来ることはほとんどないので(距離を色々と変えてみてもやはり来ない)、撤去しました。
【啓】
蛍光灯は、ポゴナクラブ ビバリウムグロー ソフトUV 15Wを1灯、バスキングライトは、白熱球 30W 1灯。蛍光灯・バスキングライト共に7時から18時半まで照射。
白熱球は、水を換える時に飛沫で割れるといけないので、事前にスイッチを切って冷まします。
― 濾過器 ―
【優】
現在、EHEIMの コンパクトオン 300 NEWを水槽内に設置し、稼働させています。
そのポンプからの排水は、濾過槽を通して飼育水に合流させています。
【啓】
優のところで書いたのと同じ内容です。
― その他の手回り品 ―
【優】
温度計:佐藤計量器製作所 最高最低温度計 PC-6800(センサー部はガラス容器に入れ、シリコンで防水)
調整剤など:チオ硫酸ナトリウム(ハイポ)。
カメにとってカルキはほぼ無害だというのは知っていますが、濾過バクテリアのことを考え、中和しています。
水槽用の冷却ファンは、近々導入します。
【啓】
全て、優の場合と同じです。